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子供用栄養補給飲料でも安心はできない

現在、子供用栄養ドリンクが数社から発売されています。お子様がスポーツなどで疲れた時や風邪をひきそうな時に、飲ませてみたことのある方もいらっしゃるかもしれません。

疲れた時に栄養ドリンクを飲むと、少し疲れが取れて楽になったような気がします。これは、栄養ドリンクに含まれているビタミンB1が糖質をエネルギーにかえ、そのエネルギーが脳を活性化した効果によるといわれています。

ビタミンB1によってかえられた糖質のエネルギーは脳の働きを活発にします。その結果、疲労感を速く回復させる効果があります。また、ビタミンB1は疲れてくると体の中にたまってくる乳酸(疲労物質とも呼ばれています)を減少させる効果もあります。

そして、栄養ドリンク剤には朝鮮人参や甘草などたくさんの種類の生薬が入っているものもありますが、これらの生薬は漢方薬で昔から疲労回復の治療に使われています。

しかしながら、栄養ドリンクの効果は一時的で長くは持続しません。栄養の各成分は液体に溶けている分、腸からの吸収も速くなり効果も早く出てきます。ただ、吸収が速くなると尿から排泄されて、体の外に出るのも速くなるのです。

また、米小児科学会誌で、10代までの子供に栄養ドリンクを与えるのはよろしくない、という研究報告を米小児科学会に所属する栄養学やスポーツ医学の研究者達が発表しました。

大人用栄養ドリンクには、大量のカフェインやガラナ、朝鮮人参、タウリンなどご存知の滋養強壮剤が配合されています。これらの成分が、大人の場合は集中力や精神力を高め、また疲労回復に役立つとされています。

子供用のものはノンカフェイン・ノンアルコールで作られているようですが、多用した場合の悪影響として、心拍数の上昇、血圧の上昇、睡眠障害、不安神経症などの兆候が見られるそうです。また心臓血管系にもダメージを与える恐れがあるともいいます。

こうして見てみると子供用栄養ドリンクは、風邪をひいていても、どうしても学校を休めない日などのみに使用を控えるべきかもしれません。大抵の場合、子どもは一晩寝れば体力、気力は回復することがほとんどです。

栄養を補給するという点では、ドリンク剤の他サプリメントもありますが、やはりビタミンは日常の食事で取るのが基本だと思います。美味しい食事から体に良い物を吸収する、というごく普通のことが体のみならず心にも栄養を与えてくれるのではないでしょうか。

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